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■2022/07/29(金)　№649　これまでの日本30年の総括と新たな「リーダーシップ・危機管理」の時代

　安倍元総理が選挙期間中に銃撃され、数々の問題が指摘されることとなりました。これまでの日本では、バブル崩壊後の失われた30年の問題がよく取り上げられますが、この問題に加え、特にこの30年間での大きな問題は「危機管理能力」に関わる問題です。

　CO2などによる地球温暖化での災害の増加、2009年に起きた新型インフルエンザを含めた現在の感染症、地政学的に見た国家・地域間の対立、日本の財政危機、半導体などのサプライチェーンによる輸入部品の供給不足などの経済安全保障の不安、政府が世界から再エネ戦略を学び実行しないことによる電力不足、食料自給率の低さ、物価高、デジタル化の遅れ、デジタル人材の不足、そして今回起きた事件です。

　最近では、各地域の足である鉄道ローカル路線の赤字問題など、今後の日本を見据えて、この国の生活や経済をどのように継続・発展させていくのか、日本の政治・官僚に関わる人たちの力量が問われますが、特に現代のような有事が多発する時代には、変化に対応するチャレンジ精神のあるリーダーが求められます。

　残念ながら、私には現代の日本のリーダーが先を見据えて着実に挑戦しているようには見えず、やたら新しい省庁を創ってはいますが、ひとつひとつが本当に機能し、日本社会への成果につながるかは疑問に感じます。新しいものをたくさん創る「量の考え方」ではなく、ひとつでも良いから成果の出る「質の考え」で新しい組織を望みたいものです。

　このリーダーシップと共に重要だと言えるのが、前述の危機管理です。残念ながら、安倍元総理の事件も警備体制を含め危機管理不足で起きたように私には感じます。もし、日本が失われた30年を総括せず今後も前例通りでいくとしたら今後の発展も見込めないでしょう。

　いよいよ国民への丸投げの多い国への依存から、国民ひとりひとりが今回の事件をきっかけにこれまでの前例意識を変え、失われた30年の総括による具体的で本質的な新しい自助の挑戦の時期に入ったのだと考えます。

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