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■2009/03/02(月) 203 「わかる」と「よくわかる」について
 私たちの日々の出来事や会話の中で何気なく「わかる」、「わからない」ということばが頻繁に使われていますが、私はこの「わかる」、「わからない」という意味は大変深い意味を持っていると思っています。例えば、ひとつのことに対して「よくわかる」とはどのような状況のことをさしているのか?私たちは日本人ですから日本人のことはよくわかると思っているかもしれませんし、日本に住んでいるのだから日本についても「よくわかる」と思いがちです。しかし、本当に日本人のことがよくわかるのか?日本についてよくわかるのか?というとはなはだ疑問が残るわけです。つまり、普段使っている「わかる」、「わからない」ということばを本当にどこまで考えて使っているのかは不明です。子ども達が何かについて学ぶ時、そのことが「よくわかる」、「わからない」というのも同じように極めてあいまいな状況になっています。従って、私は学力という意味を「よくわかる」という原点から深く考えて見直す必要があると考えています。「よくわかる」というのは、少なくともそのひとつのテーマについて多面的にかつ本質的に理解することができることが重要です。さらに、「よくわかる」とは、そのテーマについて関係するものが何か?又、その関係性とは何か?を理解することが重要です。そして、私はこの理解したことを他者にわかりやすく説明できるレベルになって初めて「よくわかる」と言えるのではないかと考えています。日々の生活で、「よくわかる」ということを意識しながら生活していると今までがなんと「わかる」ということばを軽々しく使っていたかに気づくはずです。この「わかる」を軽く使っていた為かもしれませんが、少し深いテーマになった時に考えることが「むつかしい」と言う学生が多いように感じています。つまり、普段の生活の中で物事を深く「わかる」トレーニングをすることが大切だということだと思います。「わかる」為のトレーニングとは、「解る」トレーニングであり、「解る」為には、理で解る「理解」、図で解る「図解」、表で解る「表解」などいろいろあります。理で解る「理解」とは、質問しながら聞く、筋道を立てて話す、自分なりに考えるなどを繰り返しトレーニングすることです。まず、相手の話が筋道が立っているかを確認しながらしっかりと聞くことから、この「わかる」トレーニングをしてみてはいかがでしょうか?

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