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■2010/08/06(金) 332 「就職3重苦」と「就活逃避」
 今春、大学卒業をしたが就職も進学もしていない「進路未定者」が5人に1人に相当する約10万6000人にのぼると、5日、文部科学省が公表しました。昨年に比べ約3割の増加で10万人突破は5年ぶりだとのこと。一方では、大学進学率は過去最高を更新するということで、今後ますます「進路未定者」が増えそうな勢いです。就職を先送りし、進学に切り替える学生や、あえてもう一年大学に残る就職浪人が増えたにも関わらず、大学卒業後も行き場が見つからないという厳しい現実が浮き彫りになりました。今春の大卒者約54万人の内、就職も進学もしていない進路未定者は前述のとおり約2割で、その進路未定者の約6割の6万人は「私立文系男子」だったとのことです。又、今年、留年した大学4年生も10万6000人ほどいて、来春の就職は今年よりさらに厳しくなりそうです。大学関係者からは、「就職活動から逃避し、ひきこもる若者も一定割合占めるようになった」との指摘も出ています。先日、ブログに書いた、面接で泣く大学生の増加現象もこの件に関係ありそうです。一方、NPO法人「育て上げネット」の理事長は、「充分に就活をせずに卒業する学生が2、3割は増えている印象で、就職は無理とあきらめてしまうケースも増えている」とも言っています。このように、卒業できても就職というハードルでつまずき、ひきこもる事例が増えている状況を私たちはどのように考えるべきでしょうか?ひとつは、将来、就職、仕事をする為に必要な考え方や能力、学力、精神力、体力などを小、中、高、大を通じてしっかりと指導してこなかったいわゆるキャリア教育不足ではないかと思います。又、本当に大学卒業後就職できるかどうかを心配してこなかった保護者にも大きな問題があったかもしれません。まさか大学を出て就職ができないとは思わなかったということなのでしょうか?私は、現代には「就職3重苦」があると考えています。まず、50社、100社エントリーシートを出しても面接までいくのさえ難しいという「第1の苦」、さらに、幸運に就職できたとしても3年以内に40%もの新人が退職してしまう「第2の苦」早期離職の問題もあります。これは、就職が厳しいが為に自分が希望していない企業へと妥協して入社したが、やはり3年もたなかったという当初からのミスマッチの側面があります。そして、3年以内に辞めた若者が次の職場に勤めるのは新卒でないため、さらにハードルが高くなるという「第3の苦」があります。このような悪循環が続いているのが現在の日本なのです。さらに、最近の大手企業は、外国人の採用を増やし日本人の採用を減らす企業も出てきています。現代は、大学を出ただけで全員が就職できる時代ではないということはわかっていても「自分の子どもがそうなることを信じたくない」、「自分の子どもはそうならない」と根拠のない思い込みから子どもが小、中学校の頃からしっかりとした対策をとらなかった保護者にも大きな問題が感じられます。子どもが就職できるようにするには、小学校から学校や家庭は何をすれば良いのか?今、本当に真剣に考えなければいけない時期を迎えています。

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