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■2013/04/12(金) 488 「就活解禁が大学4年の4月以降」に疑問!
 報道によると、早ければ2015年3月に大学を卒業する学生を対象にした採用活動のスタートが、大学4年の4月以降になりそうだということです。つまり、この4月現在の大学3年生は就職活動のスタート時期が来年の大学4年の4月以降になるということです。昨年は、大学3年の12月1日を解禁日にしたばかりですが、早くも解禁時期が変更ということで、しかもこれまでより4カ月も遅くなるということになります。

 この4月以降解禁というニュースが流れた当初は、経済団体の経団連は反対していたにも関わらず、今回あっさりと容認へ方針転換をしたことに違和感を感じるのは私だけでしょうか?同じく、経済団体の日本商工会議所も、「反対する理由はない」とのことで、政府の意向に沿う発表を行なっています。

 このように、政府も経済界も近々、就職解禁を大学4年の4月以降にする方針を示しているわけですが、実際に就職活動をする学生にとってこの方針はどのような意味を持ち、どんな状況になると予想できるでしょうか?大学生は大学4年間を勉学する為に行っているのだから、就職活動に割く時間をなるべく減らし学業に専念すべきだという意見があります。

 一方、日本の人口減少社会や、グローバル化が進み多くの企業が海外移転をしつつあり、日本の大学生の就職のライバルは日本人だけでなく外国人との競争でもあることを考えると、海外も含めより広い視野で将来を考える為の余裕や、採用試験や面接後に就職先を比較・検討する時間が、これまでよりさらに4カ月もけずられることが学生の就活にとって適切かどうかは大きな疑問の残るところです。

 現在でさえ、大学生の就活はエントリーシート提出や数回にわたるさまざまな面接など多様化しており、そんな中で解禁日を4カ月以上も遅らせ、一斉に就職活動を強いることは酷だろうということは容易に想像できます。各企業としても4月以降から選考に入れば、なるべく早い時点で良い人材に内定を出したいわけですから、今までと違い相当短期間の間に決めるリスクを背負うことになりますが不安はないのでしょうか?

 一方、学生も自分の針路、人生に関わる大問題をかなり短期間に決定してしまわなければならず、相当な精神的負担になることでしょう。そもそも、現代の社会状況を考えると、大学4年の4月以降の就活解禁を歓迎する大学生がどのくらいいるでしょうか?今までより授業に専念できる大学や、4カ月間就活時期が遅くなることで学生に対応する企業の時間的負担が軽くなる経済界にとっては都合が良いかもしれませんが、現場の学生たちは大変だというのが心境でしょう。

 実際に、学生たちの状況をどれだけ理解し、把握して、今回の決定をしているか私にはよく見えません。今回の方針は、一部の人々が都合良く勝手に物事を進め、弱者である現場の意見や考え方を軽視する事例ではないかと私は考えています。今回に限らずいつも犠牲になるのは、権力を持たず声を上げられない人々だという事実がいつまで続くのか?この国で現場や顧客を重視・尊重する考え方が主流になるのはいつなのでしょうか?こう書きながらも、福島・沖縄の人々の苦しみや、抗議デモの様子が目に浮かびます。

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