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■2015/11/06(金)　№575　ラグビー日本代表コーチ、エディージョーンズ氏からのプレゼント

　最近のニュースで何かと話題になったのが、ラグビーワールドカップ日本代表の活躍です。その中でも特に、五郎丸選手が脚光を浴びたのはよく知られているところですが、その後ろには優れたコーチ、エディージョーンズ氏の存在があったことを見逃すわけにはいきません。

　エディージョーンズ氏は、今回を最後に引退するわけですが、この引退を契機に、インタビューで残したことばには、私たちが学ぶべきことがたくさんあります。エディージョーンズ氏が残したことばは、主にこれからの日本ラグビーに対してのものでしたが、私は、これを日本人全体に対してのプレゼントと理解することができる。そして、それはとても重要な意味を含んでいると感じています。

　それでは、そのエディージョーンズ氏のインタビューでのことばを３つにわけて並べてみましょう。①「今後、正しい方向に進むには、日本ラグビーの意識改革が必要です。」、②「しっかりとしたプランニングが必要です。それは、非常に困難なことです。なぜなら、それは変化を伴うからです。そして、変化を嫌う人もいます。」、③「日本には優秀な選手はたくさんいるが、日本のラグビー文化は選手の能力を十分に引き出せていない。それは、規律を守らせ従順になるためだけの指導が行われているからだ。」と。

　みなさんはこれらのことばをどのように理解されるでしょうか？まず、①のことばですが、これからさらに発展するには、意識改革、つまり、ものの見方や考え方をより洗練されたものにする必要があるということでしょう。今まで通りの見方・考え方・前例通りにするだけでは、発展はのぞめないということでしょう。

　次に、②のことばの、しっかりとした「プランニング」ですが、これは、常により良い成果を達成するには一朝一夕にはいかないわけで、長期的なビジョンをもとにゴールを明確に描き、そのゴールを達成する為に具体的にどのようにいくつのステップを設定し、着実に実行していくか？という考え方が必要となります。

　実際に、このようなプロセスを考えることが「プランニング」ですが、なかなかそこまでうまくいかないという話もよく聞くことではあります。又、エディー氏が言っているように、新しいチャレンジや変化を伴うことを嫌がる人がいてそれらに抵抗し、うまくいかないことも多く、なかなか困難なことですが、それらの実現なしには次のステップ、つまり、高度成長期が終わり、低成長でグローバル化の進むこれからの社会では通用しないということでしょう。

　③は、そもそも日本人は優秀なのだが、指導の考え方や方法が画一的で、十分に日本人の優秀性を引き出せていないという点です。その指導の問題のひとつが、上から言われたことをただ従順にさせていることだと言っているのです。これは、現在の日本の教育にも通じる問題で、ひとりひとりの日本人は優秀な頭を持っているにも関わらず、上から言われた指示や宿題をただ従順にさせているだけでは、ひとりひとりの個性や考える力・適切な判断力などにはつながらず、本当に優秀な人材は育たないという点で共通しています。

　これら、エディー氏の３つのことばから、私たち日本人が何を学び、どのように考え方や行動を変えようとするのか？これからの社会を生き抜く上で重要な課題が、日本人ひとりひとりに問われているようです。

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