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■2020/04/24(金)　№631　コロナ過去の歴史と他国からの学び

　これまでのコロナウイルスに対する危機管理で感じることはさまざまありますが、特に強く思うことで、①準備、②初動、③スピード感ある対応、の３点を述べたいと思います。

　まず１点目は「準備」についてです。そもそもこれまで日本の歴史の中で多くの出来事が起きましたが、その代表例として、1.戦争、2.バブル崩壊、3.東日本大震災、の３つの中から「戦争」を例に準備について考えたいと思います。

　戦争は、言うまでもなく太平洋戦争が大きな犠牲者を生んだものですが、そもそも戦争をすることが正当化できるわけではありません。それを前提に考えても、太平洋戦争を戦うための準備が日本にできていたのか？については疑問です。国力の差があまりにも大きい国と戦うということ自体、物理的な準備が十分とは言えませんし、その上で戦うという考え方自体も準備が十分な考え方とは言えないと私は思います。戦争については私自身、10代からテーマとして考えてきたことであり、日本の戦争に対するさまざまな見方・考え方が十分な準備の上で行なわれたとはこれまで一度も思えませんでした。

　コロナに対しての準備も、これまで新型インフルエンザを経験した日本としては、マスクを始め医療器具、体制、組織（保健所）、政治・官僚の対応力など、2009年から10年以上十分に準備してきたようには思えません。日本は11年もの間、感染症に対して油断していたと言わざるを得ないのだと考えます。

　2点目は「初動」です。台湾が発生から即座に対応し始めたのに対し、日本の政府・官僚の考え方・動き方のスピードは非常に遅かったと感じます。2月のダイヤモンドプリンセスの対応に追われ、同時に日本全国への危機管理をどうするのかをスピードをもって動いていたようには私には見えませんでした。おそらく、ダイヤモンドプリンセスの対応ができれば、あまり日本全国へ拡大しないのではないかという甘い見通し（正常性バイアス）があったのではないかと私は推察します。

　3点目は、この2月から3ヵ月の「政府・官僚の対応」です。いまだにPCR検査が全国で一日6,000～7,000程度しかできないと毎日報道され、世界との差があまりにも大きい状況を見るにつけ、この3ヵ月の対応の遅さはひどい状況と見えます。報道では、なぜPCR検査が増えないかという言い訳が発表されています。例えば、韓国ではSARS・MERSの経験があったから早かったというわけですが、日本には2009年に新型インフルエンザの経験がありますから理由にはなりません。また、保健所の人員が足りなくてという点も、3ヵ月経って人員を補充したり応援できない行政とは何なのかよくわかりません。さらに、PCRには高度な技術がという点も、3ヵ月の間にその人材をどれくらい育ててきたのでしょうか？このような言い訳を見ていると政府・官僚の真剣さのなさやスピード感のなさだけが目についた3ヵ月でした。

　例えば、韓国ソウル市にあるシージェン医療財団の体制では、1カ所で一日5,000人以上のAIを活用したPCR検査が可能で、すでに20万件以上の実績があるとのこと。例えば、このような事例を韓国から学び導入すれば解決できるかもしれません。私たちは優れた事例を他国から学び、スピードをもって取り入れるという考え方と行動が今、特に求められているのだと考えています。

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