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■2008/07/21(月) 147 「子育て」の言い方を「自立した人間育て」へ
 子育てについて重要な点は、子育てとは何か?ということについて保護者が自分なりのポリシーをもっているかということだと思います。子育ての期間は、一般的に18才から20才までですから、しっかりと社会で自立して生きていける人間を育てるという意味になります。つまり、「子育て」は「自立した人間育て」と同じ意味になります。しかし、実際はなかなか自立した人間を育てることはむつかしい仕事です。保護者が「子育て」を「自立した人間育て」と同じ意味と考えているかどうかはわかりませんが、少なくとも実体はその役割をになうわけです。ところが、私たちが普段から「子育て」と言っていることばのひびきには、子どもを育てるという意味が強く、大人に育てる、自立した人間に育てる、という意味合いがうすいように感じます。そこで、私は「子育て」ということばを「人間育て」ということばに変えていくのが良いのではないかと思います。よく、保護者の会話に、「まだうちの子は小さいから」とか、「まだ小学生だから」という言い方をされる方がおられるのですが、この言い方にもまだ「子育て」を「人間育て」と考えておられないニュアンスがあらわれているように思えます。もし、しっかりと人間として育てていこうという考え方なら、「まだ小さい」とかという発言にはならず、人間として教えるべきことを小さい頃から少しずつ指導する必要があると考えられるはずです。このように、自分たちが普段使っている「ことば」,今回は「子育て」ですが、この「ことば」のニュアンスにこそ、自分たちが本来すべきことをうばっている甘えがあるように思えます。つまり、「まだ子どもだから親として特に何もしなくても良いんだ」という言い訳であり自分への甘えが見えかくれしているようです。逆に子どもは未熟だからこそしっかりと自立させるために小さい頃からゆっくりと育てなくてはいけないことが多いはずなのにです。私は、この「子育て」ということばを少しでも多くの人々が「自立した人間育て」と言い換えて子ども達に接しはじめたら、幼稚な日本人から少し大人としての日本人に成長できるきっかけになるのではないかと考えています。このように、ひとりひとりの日本語に対しての使い方や意識改革が、現在のようなモラル低下や学力低下の日本人の状況から脱皮し改善していくことにつながるのではないでしょうか?

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