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■2009/02/27(金)　№202　異質な人間の集まる大学から真のリーダーを！

　先日、倉敷芸術科学大学を訪問する機会があり、担当教授と２時間ほどお話をさせて頂きました。倉敷芸術科学大学は大変ユニークな大学です。何がユニークかというと、一般的に大学は理系・文系・芸術系というように、専門的に分かれた学問を追求していく場所である為、理系を受けるなら～大学、文系なら～大学というようにイメージして選択する場合が多いわけです。しかし、倉敷芸術科学大学は、この理系・文系・芸術系がひとつの大学で学べるだけでなく、さらにスポーツに関する学問までしているというのですから驚くばかりです。
　芸術系では、一般的な芸術や工芸からイラストレーターのデザイン科、コマーシャル、映画などを専門的に学びます。文系は、地域の活性化やビジネスリーダーをめざす起業や経営を学んだりアジアビジネスの研究、さらに世界・日本の観光のエキスパートを養成したり、ＩＴなどについても専門的に学びます。理系は、生命科学で細胞の研究をしたり動物看護などを学びます。又、救急救命士やスポーツ指導者などを育てる健康科学科まであります。このように、多様な学部・学科の学生が一同に集まっている大学は非常にめずらしいのではないかと思います。同じ大学の学生同士が違う分野の研究をしているのでいろいろな面から物事を考えることができ、学生がお互いに刺激を与え合える環境というのは素晴らしいことだと思います。まさに、私はこのように異質な人間が集まる空間が日本中にあることが大変重要だと考えています。又、このような空間からは新しいアイデアも生まれるのだと思っています。
　このようなわけで、教授とお話をしていても、このさまざまな分野の学生が混在して学んでいる空間の楽しさのようなものを感じます。異質な人間同士がお互いの考え方や行動を尊重してさらによりよいものを生み出していく、まさにこれは今流行の“コラボレーション”の最先端といえるのではないでしょうか？
　数学者の「ポアンカレの法則」というものがあります。これは、「異質のもの＋異質のもの」で独創性が生まれるという法則です。現在の経済状況で求められているもののひとつは、新しいお手本をつくり引っぱっていく力、つまり独創性をもとにして明確に方向性を示すリーダーシップやリーダーが求められているのです。私は、可能性が無限にある倉敷芸術科学大学から将来の日本のリーダーが生まれるのではないかとひそかに期待しているところです。

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