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■2010/10/01(金)　№344　小学校道徳の時間になんと「脅迫文」づくり！

　山梨県韮崎市のある小学校の道徳の授業で、ひとりの４０代の担任が生徒たちに新聞の切り抜きをさせ、共同で「脅迫文」づくりをさせたという驚くべきニュースを聞きました。「指定された時間までに８，０００円を持ってこなければ人質の命はない」という稚拙な内容のものだったようです。
　この教師は、「アニメのシーンに同じようなものがあったので行なった」と言っているようですが、とにかく生徒たちに脅迫文を作らせることが道徳の授業になると考えたこの教師の感覚が全く信じられません。さらに驚いたのは、この重大な件について小学校側は口頭注意だけで終えたというのです。先生も先生なら学校も学校で、こんなことを口頭注意で済ますその姿勢に、私は強い疑問と不信感を抱きます。
　この小学校に通わせている保護者の方々はどのようにこのニュースをとらえたのかはわかりませんが、私は教育界と一般社会の常識のズレ、道徳感のなさ、甘さを強く感じました。小学生の子ども達は感受性が強く、良いこと、悪いことの区別をしっかりと指導すべき大切な時期にも関わらず、この学校と教師両者の考え方と行動があまりにもお粗末なことにやりきれない思いです。学校やこの教師にとっては、このようなことは大したことではないのでしょうし、子ども達に対して不適切な授業だという認識もないのでしょう。そのにぶい感覚に改めて驚くと共に、学校の対応の甘さに呆れてしまいます。
　まず、この教師は教育者として子ども達を指導する資質に本当に問題がないのか？を十分に検討するのが学校側の対応のはずです。そして、何より今回学校側のとった口頭注意だけの対応がまずい、おかしいという声が学校の内外から出ていないとすれば、それも大変奇妙です。このような重大時にもこの程度の対応しか学校はできなかったわけですから、例えいじめがあったとしてもにぶい対応や隠ぺいの可能性も捨てきれないでしょう。
　私は、今回の件の対策として、教育の目的、教育者の責任、役割などをもう一度０から学び直すことがあっても良いと思います。教育の重要な目的や役割がわからず、たまたま大学でテストと成績が良かっただけで教師になった人たちが子ども達を指導しているとすれば、このような事件は今後も続くでしょう。言うまでもなく、公教育の目的はひとりひとりの子ども達の「豊かな人格の完成」であり、教師の責任は、ひとりひとりを人格の完成へと導く指導者としての重要な役割を担っているということです。
　先日も、他の都市で算数の授業で「１日に何人殺せば目標が達成できるか？」というようなとんでもない授業をしている先生がいると大きなニュースになっていましたが、このような例は一部の限られた教師だけだと思いたい反面、文科省、教育委員会ともに本来の教育とは何か？が本当に理解できているのか？定期的に抜き打ちで教師のものの考え方や人物チェック等を真剣に考えるべきではないかと、改めて今回の事件を見て強く思っているところです。

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