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■2013/06/14(金)　№496　時代の変化に対応できない「官尊民卑的言動と行動」

　今週注目されるのは、プロ野球で使うボールを今シーズンから公表せずにこれまでのものと違うものに変えていたというニュース、復興庁の幹部職員が「ツイッター」で東日本大震災の被災者や政治家への暴言を繰り返していたというニュースがあります。

　両方のニュースに共通しているのは、当事者が官僚だという点です。プロ野球問題では、日本野球機構（ＮＰＢ）の加藤良三コミッショナー、復興庁は水野靖久参事官で、報道によると加藤氏は元外務官僚、水野氏は船橋市の副市長も歴任された官僚のようです。

　プロ野球に使用するボールが昨シーズンまでのボールと違い、今年のシーズンからより遠くへ飛ぶボールに変更されていたことを、ＮＰＢ側の一部のスタッフとスポーツメーカーのミズノ社の一部スタッフで秘密扱いにされていたことが大きな問題となっているのです。プロ野球選手は、ボールとバットに命をかけて仕事をするわけですから、その一方のボールの基準が知らぬ間に変わってしまえばプレイに大きな影響を受けるのは当然です。そもそも、なぜボールを変えることを世の中に公表しなかったか？が日本野球機構の記者会見ではよくわかりません。

　さらに、この記者会見で加藤氏は、「ボールを変えたことを数日前まで知らなかった。これは、不祥事ではない。」と発言し、辞任する意志もないと述べました。一球一球のボール自体に加藤氏のフルネームが印字されているほど今回の件は加藤氏の責任が重いにも関わらず、このような発言自体に何か釈然としないものを感じるのは私だけでしょうか？何か今回の出来事は自分が最高責任者であるにも関わらず「ひとごと」のようにしか聞こえません。まるで、自分は被害者だと言っているような感じさえ持ってしまいます。

　又、復興庁の水野参事官の発言は、多くの被災者の為に真剣に仕事をしているとはとても思えない内容であり、ただ仕事だから淡々とこなしているというような感じにさえ見えます。日本柔道連盟の一連の不祥事で辞任しない上村会長にも感じますが、いわゆる世の中の常識とこの方々が持つ、いわゆる権力意識・特権意識を持っている人とのズレが大きな原因のように感じます。特権意識を持っている人は、自分の言うことにまわりの人々が逆らえないようにイエスマンばかりを集めるようになり、ごう慢な言動や行動になっていることに気づかず、「裸の王様」状態になりがちです。

　ここで思い浮かぶのは、昔から言われる「官尊民卑」ということばです。官、つまり公務員は偉くて尊いが、それ以外の国民は卑しくてレベルが低いという考え方です。特に、今回の加藤氏や水野氏の行動や言動に、この「官尊民卑」の臭いを感じます。

　今回のニュースは、社会の変化に気づかず、時代錯誤の考え方を続けていると大変なことになるという良い例だと思います。やはり、世の中の状況や市民感覚をよく把握して時代の変化に柔軟に対応するということが社会を生き抜く上で重要だということを改めて再認識する必要がありそうです。

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